突然、「お父さんの幽霊が出る」と言い出した姑。ボケただけなのか、それとも……
義母のことで、夫とも話し合った上でご相談させてもらいました。義母は今年75歳。街中から少し離れた場所にある夫の生家で1人暮らしを続けているのですが、それが去年の秋過ぎから急におかしなことを言い出すようになりました。「死んだお父さんが家の中に出る」というのです。お父さんとは義父、つまり自分の夫です。
義父は7年前に心臓系統の病で亡くなったのですが、生前はとても夫婦仲が良く、常に2人一緒に行動していたという記憶が残っています。自他共に認めるオシドリ夫婦でした。そこで夫と私は義父に先立たれたショックで呆けてしまったのではと考え、すぐに大きな病院で検査を受けさせたのですが、診断結果は「とりあえず認知症の徴候は見られない」という意外なものでした。そうなると、後は義母が嘘を言っているということでなければ説明がつかず、思い余って天啓さんに頼らせていただきました。
まず訴えの真偽について龍安先生にお聞きすると、「恐らく、本当に霊体を目撃しているのだと思います」と即答され、「お義母様が出ると主張しているのは、主に2階の部屋と廊下付近ではないですか。逆に1階の仏間などには出ないのでは?」と言われました。主張内容はまさにその通りで、しかも住む家の間取りについてもこちらからお話ししたわけでもないのに、極めて正確に把握していることに驚かされました。
「お義父様の霊魂の本体はとうに帰幽なさっているのですが、その思念の一部が何らかの原因で屋内に残っており、それがたまに周囲の自然の気のエネルギーを得て実体化しているようです。こういう場合、故人が心残りにしている事柄があると見るのが通例ですが……」と、にわかには理解できない難しい説明まで受け、さらに口寄せという形で義父の霊を降ろしてもらったところ、「引き出しの裏」というキーワードが何度も飛び出しました。
終了後、先生から「ともかく一度、ご主人と一緒に問題の2階を調べてみたらいかがでしょうか」と勧められました。それで義母を義妹の元に預けた上で、密かに夫と2人で家捜しをしたところ、義父が生前、書斎として使っていた部屋の机から、心霊現象の原因と思われる物品が出てきたのです。当人の霊が訴えていた通り、引き出しの裏に写真入りの封筒が貼り付けてありました。
それは義父と見知らぬ女性が寄り添って写っている、数枚の古い紙焼き写真でした。夫は「たぶんコレ、オヤジの浮気相手だろう」と推測し、「どうしても、こいつだけはお袋に見られたくなかったんだろうな」と苦笑していました。案の定、問題の写真をお寺でお焚きあげしてもらってからは、義母は「幽霊が出る」とは2度と言わなくなりました。蛇の道は蛇と申しますが、やはり今回の件はイタコの先生にご相談して正解でした。
(田上美津絵さん 45歳 自営業 福岡県筑紫野市)