薬師如来
やくしにょらい
薬師如来とは
正式には、薬師瑠璃光如来と呼ばれる仏様です。像容は立像、座像ともにありますが、一般的には共通して薬壺を持った姿で知られています。そのことから、病気平癒、健康回復、長寿延命といった苦を祓い楽を与える、健康に関する御利益を与えてくれるとして篤く信仰を集めています。お寺そのものの御本尊として祀られることも多く、また境内にある薬師堂などで祀られることもあり、縁日である毎月8日には多くのお参りが各所であり、万人に身近な仏様として知られています。薬師如来単体で祀られることもありますが、日光菩薩と月光菩薩を脇侍として、薬師三尊仏として安置される場合も一般的です。さらには、眷属である十二神将もそこに加わって祀られるケースもありますが、すべて揃っているお寺は数えるほどしか残っていません。なお、明治時代以前の神仏習合期には、本地仏の考え方において、東照大権現の神号を持つあの徳川家康が薬師如来に当たるとされていました。
バイ
主な御利益
病気平癒や健康維持。健康運の上昇。延命長寿。厄災除去。飢えなくする。
真言
おん・ころころ・せんだり・まとうぎ・そわか
有名な薬師如来
薬師寺
南都七大寺のひとつに数えられる薬師寺は、天武天皇によって開かれた薬師如来を御本尊とするお寺です。平成10年には、ユネスコの世界遺産にも登録されました。
神護寺
京都市街の北西、高雄山中腹に位置する山岳寺院です。こちらの薬師如来は、平安時代初期の仏像として長い歴史を持っています。お寺自体は、紅葉の名所としても知られています。
延暦寺
天台宗の総本山である延暦寺の御本尊は、本堂にあたる根本中堂に祀られる薬師如来となっています。平安時代初期に開かれたお寺で、こちらもユネスコの世界遺産にも登録されています。
薬王寺
徳島県の南部の美波町にある真言宗のお寺です。四国八十八ヶ所霊場の札所になっており、阿波国最後の札所として参拝者が絶えません。厄除けのお寺としても知られています。
東寺
京都市南区にある真言宗の根本道場です。京都駅からも近く、かなり広い駐車場もあるので、絶えず人の多いお寺です。毎月21日は、弘法大師の縁日とされており、「弘法市」が開かれています。