不動明王
ふどうみょうおう
不動明王とは
明王の尊格にある仏様で、大日如来が変化して不動明王の姿を取って人の前に現れるという考えもあります。その縁日は毎月28日で、不動明王を祀っている各地のお寺では賑わいを見せており、お不動様として広く民衆に親しまれています。特に、酉年生まれの人の守護仏として、篤く信仰されています。その像容は基本的に、降魔の剣と呼ばれる三鈷剣と羂索を持つ姿を基本としています。不動明王にとっての剣は、魔を退散させる、降伏させる効果と、人間の煩悩や因縁を断ち切る効果を持っているとされ、羂索は魔を縛り上げるためや、煩悩に堕ちた人を救い出すといった効果を持っているとされます。なお、剣に龍が巻き付いているものは、倶利伽羅剣と呼ばれています。もうひとつ特徴的なのが、不動明王の背後に燃え盛っている炎でしょう。これは迦楼羅炎(かるらえん)と呼ばれる炎で、インドの神話に出てくる神の鳥ガルーダからきています。ガルーダは口から金の火を吹いて、赤色の翼を持っていたとされています。また、眷属である童子を両脇に従えた三尊の形で描かれることも多いようです。
カーン
主な御利益
勝負運が高まり、敵やライバルに勝てる。立身出世出来る。勇気が湧いてくる。決断力が身に着く。
真言
のぅまく・さんまんだ・ばざらだん・せんだまかろしゃだ・そわたや・うんたらた・かんまん
有名な不動明王
新勝寺
成田山の名称で知られる千葉県のお寺です。通年で参拝者は多いのですが、初詣でお参りに訪れる参拝者の数は、全国で第2位に入るほどの人気スポットとしても知られています。
瑞巌寺
日本三景のひとつ、松島にある臨済宗のお寺になります。松島観光の有名スポットとして、外国人も多く訪れるほど。伊達正宗お手植えの臥龍梅という紅白二本の梅の木も有名です。
日石寺
大岩不動尊の通称で知られる富山県のお寺です。こちらの不動明王は、2童子像、阿弥陀如来像などと一緒に、凝灰岩の巨岩に半肉彫りで彫り出された磨崖仏である点でしょう。
青蓮院門跡
京都市東山区のお寺で、単に青蓮院とも呼ばれています。こちらは、不動明王2童子像、通称、青不動尊と呼ばれる平安時代後期の仏画が有名です。
大山寺
関東三大不動尊とも呼ばれる大山寺の御本尊の不動明王。お寺は、伊勢原市域の西北端に位置する標高1,252メートルの大山にあり、紅葉シーズンは特に混雑しています。