帝釈天とは

帝釈天は、仏教の守護神とされる天部のひとつの存在です。お寺の山門などで立像を見ることの出来る、多聞天（毘沙門天）・持国天・広目天・増長天の四天王が仕える仏様なので、四天王天とも呼ばれています。象に乗った姿の仏像が、一般的に知られています。一説には、元々帝釈天はお釈迦様と同じく人間として存在しており、後に天（仏）になったとされています。日本では、帝釈天はそこまでメジャーな仏様として知られているわけでもなく、釈迦如来や大日如来、阿弥陀如来などを寺院の御本尊とするケースは多々ありますが、帝釈天を寺院御本尊とするケースは皆無ともされています。しかし、一方で帝釈天の名前が広く知られているのは、有名映画の舞台のお寺に帝釈天が祀られていたことに起因すると考えられています。庚申の日が縁日とされており、帝釈天を祀っている寺社では露店なども出て賑わいを見せることがあります。

有名な帝釈天

題経寺

柴又帝釈天として知られる、東京都葛飾区のお寺です。男はつらいよの映画の舞台としてお馴染みで、一年を通して駅からお寺へと続く長い参道は賑わいを見せています。

静照寺

大阪府寝屋川市のお寺です。こちらの帝釈天像は、柴又帝釈天題経寺の分霊像とのこと。また、宗祖日蓮聖人像は、小湊誕生寺や身延山奥の院の聖人像と、同じ木で造られているそうです。

福寿寺

京都府南丹市のお寺です。京都帝釈天と通称で呼ばれており、文化財にもなっている帝釈天堂を構えています。縁日である庚申の日には、多くの参詣者が訪れます。

摩尼寺

数少ない、寺院御本尊に帝釈天を祀る鳥取市のお寺です。摩尼山の山頂付近に建つ古刹で、山頂の立岩は帝釈天が降臨した霊地として崇められています。

帝釈山

神戸市北区に位置する標高585.9mの山の名称で、かつて明要寺というお寺の奥之院が置かれており、そこには梵帝釈天が安置されていました。帝釈山の名前もここからきています。