毘沙門天
びしゃもんてん
毘沙門天とは
毘沙門天は、仏教の中の天部に身を置く仏様です。持国天、増長天、広目天と共に四天王と呼ばれる内の一尊で、多聞天と呼ばれることもあります。一般には、年始の七福神めぐりの毘沙門様として知られているでしょうか。また、戦国武将である上杉謙信が毘沙門天を深く信仰しており、自らの旗印に毘の文字を用いたことも有名な話です。基本的には、四天王や七福神といったセットで祀られることが多いのですが、毘沙門天単体でお寺の御本尊となるケースも数多くあります。仏教発祥の地であるインドでは、金銀財宝の神様として、大黒天のような御利益で知られています。しかし日本のお寺における毘沙門天は、ほぼ甲冑を身に着けた武神の姿の像容をしており、戦いの神様として知られています。加えて特徴的なのは、邪鬼と呼ばれる小さな鬼を踏みつけたポーズの仏像で作られているケースが多いことでしょう。
ベイ
主な御利益
勝負事に勝てる。直感が冴える。ピンチに逆転が叶う。福徳を得る。
真言
おん・べい・しらまんだや・そわか
有名な毘沙門天
神峯山寺
大阪府高槻市に位置する天台宗のお寺です。日本で最初に毘沙門天が安置されたお寺として知られています。御本尊の毘沙門天の他に、双身毘沙門天や兜跋毘沙門天が祀られています。
鞍馬寺
源義経が幼少に過ごしたことや、鞍馬天狗でお馴染みの京都の鞍馬寺。こちらの御本尊は尊天となっており、毘沙門天王、千手観世音菩薩、護法魔王尊の三身一体の仏様を表しています。
吉祥寺
愛媛県西条市にあるお寺で、四国八十八ヶ所霊場の札所にもなっています。その四国霊場では唯一、毘沙門天がお寺の御本尊として祀られていることで知られています。
善国寺
新宿は神楽坂にある日蓮宗のお寺になります。神楽坂の毘沙門様として信仰篤く、江戸三毘沙門のひとつとされています。年始には、新宿山ノ手七福神めぐりで境内は大いに賑わっています。
達谷窟
岩手県平泉町にある、毘沙門天を祀ったお堂になります。かつて、征夷大将軍であった坂上田村麻呂が、ここを拠点としていた蝦夷を討伐した際に、記念として建てたお堂です。