歓喜天
かんきてん
歓喜天とは
歓喜天は、「かんきてん」あるいは「かんぎてん」と呼ばれ、弁財天や大黒天、毘沙門天などと同じ天部の中に含まれる仏尊になります。また、聖天(しょうてん)と呼ばれていることもあり、日本各地で祀られています。特徴的なのはその像容で、その多くは頭部が象で身体が人の形をとっています。そして男性と女性の2体が、向かい合わせに抱き合っているポーズをしています。そのため、男女の縁結びや夫婦和合のご利益があるとされています。さらに歓喜天で特徴的なことは、その修法(供養の方法)になります。浴油供、華水供、酒供があり、文字通り油、水、酒を歓喜天の像にかける行為になります。そういった面もあってか、歓喜天の彫像は小さいサイズの物が多く、また金属製の像が基本となっています。さらに歓喜天の特徴としては、お供え物として大根をささげるというものが挙げられます。そのため、歓喜天を祀る寺院が、寺紋に大根を取り入れているケースも見られるくらいです。
ギャク
主な御利益
男女の縁を結ぶ。カップルや夫婦の仲を良くする。他人から愛される。
真言
おん・きりく・ぎゃぐ・うん・そわか
有名な歓喜天
本龍院
東京都台東区にあるお寺で、待乳山聖天と通称されています。日本三大聖天の1つにも数えられており、本堂内では多くの人が毎日勤行に精励しています。
宝山寺
生駒聖天として知られる、奈良県生駒市のお寺です。こちらの歓喜天も日本三大聖天に数えられており、寺院御本尊の不動明王と合わせて多くの人にお参りされています。
大福田寺
三重県桑名市のお寺で、聖徳太子が開いたとされる歴史があります。こちらでは毎年4月に、桑名聖天大祭が開催されるほどに深い信仰を集めています。
歓喜院
寺院名からもわかるように、お寺の御本尊として歓喜天が祀られている埼玉県熊谷市のお寺です。妻沼聖天と呼ばれ、地域のみならず遠方からの参拝も多いお寺です。
了徳院
福島聖天あるいは浦江聖天として知られる、大阪市福島区のお寺です。こちらのお寺は神仏習合の色が残っており、境内には鳥居をくぐって入ることになります。