鬼子母神
きしもじん
鬼子母神とは
「きしもじん」あるいは「きしぼじん」と読まれる仏教における夜叉(鬼神)の一尊になります。サンスクリット語での読みがハーリーティーとなることから、それを音で表して訶梨帝母(かりていも)と呼ばれることもあります。母親として子供が500人いたとも1000人いたとも言われており、それだけの子供を育てるための栄養を人間の子供を食べることで採っていたとの逸話があって、人々の恐れの対象となっていました。お釈迦様がその状況を見て、鬼子母神が最も愛する末子を隠し、子を失う親の苦しみを悟らせたことで改心して、仏法の守護神となりました。子供の健康と妊婦の安産の守り神として信仰を集めており、また盗難除けの守護効果もあるとされています。現在は、主に法華経における守護神として知られており、日蓮宗系のお寺で奉られていることが多くなっています。像容は必ずしも一定ではなくて、合掌している像もあればそうでない像もあり、角が生えているかどうか、子供をともなっているかどうかなどの違いが見られます。その表情も、天女のような形相から鬼のような形相まで、いくつも存在しています。
ウン
主な御利益
子宝や子授け。恋愛成就、安産。子供の健康。盗難の防止。
真言
おん・どどまり・ぎゃきてい・そわか
有名な鬼子母神
真源寺
「恐れ入谷(いりや)の鬼子母神」として知られる、東京都台東区のお寺です。朝顔市でも知られており、夏の風物詩として人を集めています。
法明寺、鬼子母神堂
東京都豊島区雑司が谷のお寺です。こちらは正式には、鬼の文字の頭の点を書かずに表記されます。都電の駅名では、「きしぼじん」となっています。
円福寺
江戸三祖師のひとつ、開運厄除祖師を祀る神楽坂のお寺です。こちらには3体の鬼子母神像が祀られており、中でも夜光鬼子母神は真夜中に両眼が光りなにもかも見透かすと言われています。
法華経寺
千葉県市川市にある日蓮宗の大本山です。こちらは真源寺、法明寺と合わせて、江戸三大鬼子母神としても知られています。