閻魔天
えんまてん
閻魔天とは
閻魔天は、閻摩天や焔摩天とも表記されて、運命や人の死、そして地獄(冥界)を司る仏とされています。密教の中では、方位を守護する八方天の一尊でもあります。もっとも、日本では、地蔵菩薩の化身としてだったり、あるいは死者を地獄か極楽かへ送る裁判官としての閻魔大王(閻魔法王・閻魔王)だったりが、最も知られた姿になるでしょう。「嘘をついたら閻魔様に(“やっとこ”で)舌を抜かれる」というふうに、子供をしかる際に言われる言葉など、身近なところでもその名前を聞く機会があるかと思います。1月16日と7月の16日は、閻魔大王のいる地獄も休暇を取る藪入りの日とされ、罪人を煮る地獄の釜も蓋が開けられて鬼たちも手を休めるとされています。なお、この日には各地のお寺の閻魔堂が御開帳されることも多く、閻魔詣でに足を運ぶ人が昨今増えているとされています。
エン
主な御利益
病気平癒。健康と延命、長寿。健康な子育て。
真言
のうまく・さんまんだ・ぼだなん・えんまや・そわか
有名な閻魔天
源覚寺
東京都文京区にある浄土宗のお寺です。こちらの閻魔様は「こんにゃく閻魔」と呼ばれ、眼病の治癒にご利益があるとされます。ご利益に預かろうと、こんにゃくを納める人が絶えません。
合邦辻閻魔堂
聖徳太子の開基と伝えられています。浄瑠璃「摂州合法辻」の舞台として人気が高く、また病気平癒の閻魔様としても知られ、多くの参拝者がいます。
太宗寺
新宿にあるお寺です。こちらの閻魔像は、高さおよそ5.5メートルもあり迫力にあふれています。三途の川の亡者の着物をはぎ取る「奪衣婆」の像もあり、その特徴的な表情を見ることが出来ます。
六道珍皇寺
この世とあの世の境目といわれる六道の辻に建っている京都のお寺です。境内には、地獄に通じる井戸があり、この井戸から小野篁は地獄へと行き、人でありながら閻魔大王の補佐官を務めていたとされています。
白毫寺
元々は、天智天皇の皇子である志貴親王の山荘だと言われている奈良のお寺です。高台にあり眺めは良く、毎年夏には閻魔詣での行事が開かれて、多くの観光客が訪れています。