一人旅の途中で出会った悲しそうな女性の霊
霊能者が語る心霊体験(2)
横山和子先生
私が、山岳修行から帰って間もなくしてのことです。今思えば、それも呼ばれていたからなのかと思われるのですが、突然旅に出たくなり、関西地方のある場所に1人で行ったのです。観光地とはいえ、オフシーズンのせいかそれほど人もいなく、落ち着いて旅をしていました。
ところが夜を迎えると、異変が起きたのです。夜中、息苦しくなり目覚めると、目の前に髪の長い女性の霊が立っているのです。すぐに、私に危害を加えることはないとわかりましたので、彼女の心に話しかけてみました。すると、「旅館の近くにある池に来てほしい」という声が聞こえてきたのです。それを私に伝えると同時に、彼女の姿は消えました。
朝になり、さっそくその池に行ってみました。池に着くと、水辺で夜中に出てきた女性の霊がすすり泣いているのです。心の中で声をかけると、彼女は私の心に訴えかけてきたのです。
実は彼女、この池で不慮の事故に遭い亡くなったとのこと。長い年月が経ち、自分のことを思い出してくれる人がいなくなってしまい、ずっと寂しさを感じていたのです。驚いたのが、彼女は私と遠縁にあたる家の先祖だったのです。今まで、ずっと寂しい気持ちを発信していたのですが、なかなか波長が合わなかったのか、彼女の声を捉えきれずにいました。山岳修行により、私自身の神経が研ぎ澄まされ、彼女の声を捉えられるようになったからなのかもしれません。
とにかく、ようやく彼女の声が、私の元に届きました。「今まで、貴女の声を感じ取れなくてごめんなさい。でも、もう大丈夫ですよ」そう伝えると、彼女は微笑みながら、スーッと消えて行きました。
後にわかったことですが、私が彼女と池で対面したその日というのは、彼女の命日に当たる日だったのです。それ以来、彼女の命日には、祈りを捧げているのですが、私にははっきりと彼女が私に微笑みかけている姿が見えます。修行により、彼女の訴えを聞いてあげることができ、本当に良かったと思っています。