霊が及ぼす力「地縛霊」
霊にはさまざまな種類があり、時に私たちに影響を与えます。鑑定例を交えながら、それぞれの霊が及ぼす力を連載でご紹介します。第一回は、「地縛霊」です。
地縛霊とは、自分が死んだことを認識できなかったり、受け入れられずに、その土地や建物から離れられず、縛られている霊のことです。自殺や不慮の事故・事件、戦争で亡くなった人などが、自縛霊となるケースが多いと言われています。
地縛霊は場所に縛られているので、その場所に引きずり込もうとします。怨みを持ったまま命を断っていることが多いので、幸福な人や、健康な人などを、自分たちの世界に引きずり込もうとする傾向があるのです。
また、浮遊している霊などを取り込み、仲間を増やしていきます。同じような場所で交通事故や自殺が多発したり、変死した人の部屋に何らかの怪奇現象が起きるのには、自縛霊が影響している場合が多いのです。
地縛霊の中には、人間に取り憑くものもいます。人間に取り憑き、その人間を霊の世界に連れて行こうとするため、かなり厄介です。地縛霊に取り憑かれた時には、速やかに除霊や浄霊を行なわなくてはいけません。
ここからは、実際に地縛霊に憑依された方の鑑定例をご紹介いたしましょう。
菜摘さん(仮名)が、友人たちとともにドライブに行った時のことです。たまたま有名な心霊スポットであるトンネルが近くにあると知り、好奇心もあって、そこに立ち寄ることになったのです。
すでにそのトンネルは使われておらず、友人たちと足を踏み入れたそうです。入った瞬間、菜摘さんは何かとても嫌な感じがしたのですが、友人たちがどんどん先へ進んでしまうので、仕方なく後を着いて行きました。トンネルの真ん中ほどまで行ったのですが、菜摘さんはあまりの寒気に耐えられなくなり、渋る友人たちに頼み込んで戻ることにしました。
真夏だというのに、家に帰ってからもまったく寒気がおさまらず、布団に毛布をかけて寝たそうです。次の日の夜から、菜摘さんは金縛りに悩まされることになりました。
その後、次々と不可解なことが菜摘さんを襲いました。階段から落ちて捻挫したり、電車のホームに立っていると誰かに突き飛ばされて転んだり、自動車に轢かれそうになったりと、次々と不幸が襲いかかったのです。体調もおもわしくなく、日に日に菜摘さんはやつれて行きました。
そして、決定的なことが起きました。憔悴しきっていた菜摘さんが、洗面所で顔を洗っている時です。ふと人の気配を感じ、鏡を見ると、菜摘さんの首を絞めながら笑っている見知らぬ女性の姿が映っていたのです。
「きゃあああああああ!」
叫んだあと、菜摘さんはしばらく意識を失っていました。再び鏡を見た菜摘さんに、さらなる恐怖が押し寄せたのです。菜摘さんの首には、くっきりと人の手形が残っていました。しかも首を絞めた形で…。
菜摘さんから電話占い「天啓」にお電話をいただいたのは、その直後でした。
霊能者の先生によると、電話がつながった瞬間、菜摘さんを、妬みや嫉みといった負の力が取り巻いているのを感じたそうです。菜摘さんの身に今何が起きているのか、くわしく霊視したところ、やはり原因は心霊スポットのトンネルにあることがわかりました。菜摘さんは、そこで地縛霊に取り憑かれ、そのまま家に連れてきてしまったのです。
その地縛霊は、はるか昔、友人に裏切られ、彼を奪われてしまった女性の霊でした。失恋したことを苦に、女性はこのトンネルで、自ら命を断ってしまったのです。この世に未練を残したまま亡くなった彼女は、このトンネルで地縛霊となってしまったのでした。
心霊スポットと呼ばれる場所には、地縛霊がいることが多く、無暗に足を踏み入れるととても危険です。特に冷やかし半分で行ったりすると、地縛霊の怒りを増幅させてしまうことになってしまいます。
遊び半分で心霊スポットに来た菜摘さんたちは、女性の霊の怒りに触れてしまったのです。さらにこの地縛霊の波長が合ってしまったことにより、菜摘さんは地縛霊に取り憑かれてしまったのでした。自分たちのいる霊界に菜摘さんを連れて行こうと、地縛霊は執拗に危害を加えていたのです。このまま放っておくと、とても危険な状況だと霊能者の先生は判断し、菜摘さんからこの地縛霊を引き離すよう、速やかに除霊を行ないました。
除霊を行なった後は、金縛りや不可解な現象など、地縛霊から受けていた影響は一切なくなったそうです。菜摘さんは今回のことを受け、もう二度と興味本位で心霊スポットに足を踏み入れないと誓ったそうです。
皆さんも、心霊スポットなどにはできるだけ足を踏み入れないようご注意ください。そこには、貴女を霊界に引きずり込もうとしている地縛霊が、手ぐすね引いて待っているかもしれないのですから…。