先祖供養をしないとどうなる?先祖供養の種類や方法を解説
最近は先祖供養をしない若者も増えてきましたが、先祖供養は日本で受け継がれてきた大切な文化です。先祖供養は先祖や故人に対して感謝の気持ちを伝えるものですが、そもそも先祖供養はどこから始まったのか知らない人も多いでしょう。中には先祖供養しないと、何か祟りがあるのかと心配になる人も多いかと思われます。そこで今回は先祖供養について、先祖供養の意味や種類、方法などをお伝えします。
先祖供養の始まり
先祖供養とは先祖への感謝の気持ちや故人の冥福を祈ることです。先祖供養は仏教から始まったことですが、他の宗教が生贄の風習があったため、真似したと言われています。昔は動物を使った生贄によって、神への怒りが収まると信じられてきたらかです。
ですが、動物を殺傷してしまうことから、動物に対して感謝の気持ちを表すために供養したと言います。そこから亡くなったものに対して、安らかに眠ってほしいと願うようになったのです。これが先祖供養につながり、故人や祖先に対して供養するようになりました。
先祖供養をしないとどうなる?
昔の人は大地の祟りを鎮めるために、生贄を捧げてきたと記述しました。そして殺傷した動物のための供養だったのですが、どこからかこの説がねじ曲がってしまい、「供養しないと呪われる」となってしまったのです。そこからどんどん広がり、先祖供養を必ず行う風習となりました。
ただ、先祖のお墓参りにいかず、手も合わせないような人や、仏壇があるのにも関わらず埃だらけになっている人もたまにお見かけします。そのような人は日頃から体調を壊していたり、なんとなく覇気が無かったり悪いことが続いたりしているのです。
枕元に亡くなった人が立っていたなど、現在の科学では解明されないことも起きています。供養しないと呪われるというのは迷信ですが、実際に自分の身に災いが起きている人はたくさんおり、先祖との因縁を感じている人も多いでしょう。
仏教には因果応報という言葉がありますが、自分がやったことは自分に返ってくるという意味があります。そのため、先祖供養は自分だけではなく、周りの人も関わってくるものですので、先祖供養が大切と言われているのです。
先祖供養によってどのような効果があるのか?
反対に先祖供養や毎日仏壇に手を合わせている人は、知らずのうちに先祖から守られていることがあるのです。先祖供養することによって、運気が上昇したような感じになった人も多いはずです。先祖供養には故人があの世で安らかに眠れるようにする意味だけではなく、先祖供養した人にも良い効果が得られます。それは先祖供養したことで、霊格が高くなるからです。
まさに徳を積むということで、昔から先祖供養することで徳が返ってくると言われています。もちろん見返りを期待するために先祖供養するのは逆効果ですが、見返りを求めなければ今の状況が良くなるように道が開けるのです。そして、先祖がいなければ今の自分がいなかったと実感ができ、生命の尊さに気づかされるでしょう。
先祖供養の種類
供養の方法で先祖供養の種類も変わってきます。大きく三つのタイプに分かれているので、どのように供養したいか決めるための参考にしてください。
- 永代供養
高齢化社会が進み、お墓をつぐ人がいなくなってしまったり、若者の供養に対する意識が薄くなったりした際に、個人の遺骨を霊園やお寺などに預けて遺族に代わって供養をお願いする埋葬方法のことです。 永代供養ではありますが、永劫ではなく一定期間のことを言います。一般的には33回忌まで代わりに供養することがほとんどです。一定期間が過ぎてしまった場合は、他の遺骨と一緒に永代供養墓などで供養されます。どうしてもお墓をつぐ人がいなければ、永代供養が良いでしょう。 - 追善供養
故人があの世で成仏できるように祈りを捧げる仏教の言葉です。残された人がお墓参りしたり、僧侶に法要してもらったりすることで故人は成仏すると言われています。追善供養と言っても種類があり、中院供養と年忌供養、お墓参りと仏壇供養の4つです。中院供養は故人が亡くなった際に、7日間ごとに法要する供養の方法です。初七日・二七日・三七日・七七日ごとに営まれます。中院供養は最後の四十九日で終了します。
また、年忌法要は故人の命日に営む法要です。一周忌・三回忌・七回忌・十三回忌・十七回忌・二十三回忌・三十三回忌ごとに供養します。三回忌以降は、命日より一年早いので注意してください。三十三回忌になれば「弔い上げ」となり、それ以降の法要は行わないのが一般的です。 - 水子供養
この世に生まれず、そのまま亡くなった水子を供養することです。水子は人工妊娠中絶や流産によって亡くした胎児のことで、供養することで冥福を祈り成仏してもらいます。水子の魂は水子地蔵によってあの世に導かれているため、水子地蔵が祀られているお寺で供養しましょう。ただし、浄土真宗では供養を行っていないので気をつけてください。
先祖供養の方法
自宅やお墓参りで先祖供養する方法があります。それぞれの方法を見ていきましょう。
自宅で先祖供養する
毎日仏壇に仏飯や水、花などをお供えし、線香をあげるだけでも先祖を弔えます。また、僧侶に出向してもらい、仏壇にお経をあげてもらうのも良いでしょう。お盆やお彼岸などの節目が良いとされています。 また、仏壇が自宅にない場合は、心の中で感謝の気持ちを唱えるのでも良いです。また、故人の形見があれば、加工して常に身につけられるようにアクセサリーにするのも良いでしょう。これは手元供養と呼ばれますが、故人を身近に感じたい人におすすめです。
お墓参りする
水で濡らしたタオルで墓石を磨き、綺麗にしてあげます。葉っぱなどが散乱していたら綺麗に掃除してあげてください。綺麗な飲水とお供物、線香をあげたら合掌します。お墓参りする時期は特に決まっておらず、人生の節目や近況報告などあれば積極的にお参りするようにしてください。墓石に破損が見つかった場合は、すぐに石材店に連絡して直してもらうようにしましょう。また、お供え物はカラスに荒らされる原因となるので持ち帰って召し上がるようにしてください。
年忌法要を行う
遠い先祖を年忌法要で供養したいのであれば、どのような故人が何回忌なのかを菩提寺に相談すると教えてもらえます。複数の故人が回忌に当たる年があれば、まとめて供養するのも良いです。法要場所や会食場所など、一ヶ月前から準備するようにしましょう。
先祖供養は故人への感謝が大切
先祖供養するのに一番大切なのは、やはり気持ちがこもっていることです。何周忌だから法要するのも大切ですが、心がなければ意味がありません。
また、遠方なのでお墓参りに行けないから供養もできないと考えている人も多いですが、故人を想っていればそれだけでも供養につながります。ただ手を合わせて感謝の気持ちを伝えるだけでも十分に効果はあります。