時を越え、先祖の霊が父の命を助けたのです。
父に聞いた話です。
うちの父は、戦争中に所属していた部隊が壊滅して、生き残ったのは父と、もう一人○○軍曹だけだったという経験があるそうです。
しかも、その時父は負傷していて、足手惑いになるから置いていってくれと頼んだそうなのですが、その軍曹は頑として聞かず、父を見捨てずに本隊まで連れて帰ってくれたそうなのです。(父の方が階級は下です)
その軍曹は普段から特に親しかったわけでもないのにと、父は大変感謝していました。
戦争が終わって、暫くしてから記録を頼りに父はその恩人を訪ねてみたそうです。それからは二人の交友が深くなり、よく会うようになったといいます。
かつて命を助けてもらった話を父がすると、もと軍曹は当時を振り返り、初めは助けるつもりなど毛頭なく見捨てようとしていたのだが、なぜか見捨てることができなかったと語ったそうです。そしてたまたま家系の話になった時、驚くべきことがわかったのです!
我が家の先祖は、戦国時代にあえなく没落してしまった小大名なんですが、その軍曹は我が家の先祖に仕えていた家臣の子孫だったのです。軍曹の先祖は、没落した我が家の先祖に毎年米を送って援助してくれていたんだそうです。いつからか縁は切れてしまって交流は絶えていたのだとのことでした。何百年も経ってから、家臣の子孫が主家の子孫を助けるという、「偶然」のひと言では済ませられない話に、私は全身に鳥肌が立ちました…。
(埼玉県川越市 高崎真奈美さん 34歳 自営業)
天女先生より
本当に不思議なお話ですね。その軍曹さんのご先祖様は、よほどあなたのご先祖様に良くして貰ったのでしょう。数百年を経て、いまだ衰えぬ強力な怨念があるのと同時に、人の恩や思いも年月に関係なく、子孫を見守り続けているものなのです。めったに無いお話を聞かせていただいて、私も胸がいっぱいになる思いがしました。いつかあなたも軍曹さんの菩提寺にお参りに行くことをお勧めいたします。