楽しいドライブが一転、恐怖の時間に…
夜中に友人たちとドライブすることになり、行き先も決めず適当に流していたんです。気がつくと、山道へ進んで行きました。さすがにすれ違う車もありません。どれくらい行ったでしょうか、前方に古ぼけたトンネルが見えました。
その瞬間、少し嫌な感じがしたのですが、友人たちは気にするそぶりもなくそのままトンネルに入って行ったんです。トンネルの中に入ったとたん、さっきまで大騒ぎしていたのに、運転していたN美が突然黙りこみ、そして真っ青な顔をしながら、急ブレーキをかけ車をバックさせたのです。
一瞬、何が起きたかわかりませんでした。「何してるの!」別の友人が叫びました。「他に車がいなかったから良かったけど、後ろに車がいたら事故になってたよ!」ともう一人の友人もN美に言いました。それでも、N美は無言のまま、車をUターンさせると、来た道を慌てた様子で引き返していきました。
だいぶ下ってきたところで車を脇に寄せると、今までひと言もしゃべらなかったN美が、重い口を開きました。
「3人とも、トンネルで何も見えなかったの?」と言うので、私は「なんかちょっと嫌な感じはしたんだけど、何も見えなかったよ」というと、N美は「トンネルに入ってすぐ、車の上から覗き込むように、フロントガラスのところに、女の人がへばりついていたんだよ!急ブレーキかければ振り切れるかと思ったけど、全然ダメだったから、あわててバックさせてトンネルから抜けたんだけど……。トンネルから出た瞬間、女の人の姿が消えて……」
それを聞いて、言葉を失いました。N美以外の3人には、女性の姿は見えていません。トンネルを抜けて姿は見えなくなったと言っていますが、かなり不安です。私たち4人の身に、今後何か悪いことがふりかかるようなことはあるのでしょうか?教えてください。
(鹿児島県鹿児島市 藤田栄子さん 26歳 販売員)
神奈音先生より
偶然、霊の集まる場所に踏み入れてしまったようですね。トンネルというのは、それでなくても霊が集まりやすい場所。その中でも、あのトンネルは霊が強くひきつけられる場所だったようです。4人の中でも、特にN美さんは霊を感じやすい体質なのでしょう。そのため、1人だけ霊を見てしまったようです。N美さんが見た霊は、強力な自縛霊に引き寄せられた浮遊霊のひとつ。いまだこの世に未練を残し、彷徨い続けている女性の霊です。何か悪いことが起きるのではと思われているようですが、貴女たちに危害を加えるようなことはしませんので安心してください。