死してなおパチンコを打ち続ける老婆の不浄霊
専業主婦をしています。子供が手の掛からない年頃になった私は、昼間ヒマになってしまい、よくないとは思いつつも、週に何度かパチンコ屋に行くようになりました。負けてばかりでしたが、常連客のパチンコ仲間も何人か出来てしまい、せめて借金はしないように、と気をつけながら、お小遣いの範囲で楽しんでいました。
そんなある時、パチンコ仲間のM代さんが亡くなったという話を聞きました。M代さんは70代のおばあちゃんで、いつも海物語の同じ台に座り、朝から晩までずーっと打っている一番の常連の方でした。私はてっきりお金持ちの人なんだろうなと思っていました。でも、M代さんは独身の身よりのないアパート暮らしで、パチンコ屋通いで借金がかさんでしまい、返済できなくなり、近所のビルから飛び降りた、とのことだったのです……。それを聞いて本当にいたたまれない気持ちになりました。「もうパチンコやめよう……」そう思いました。でも、平日の朝に旦那が出勤して、息子が学校に行って、家事を済ませて一息つくと「パチンコ打ちたい……」という気持ちが湧いてきてしまいました。そして気付けばいつもの店に向かっている駄目な私がいました。
私も海物語が好きなので、海物語のシマに行き、そのM代さんがよく打っていた台からなるべく遠めの台に座って、その日もパチンコを打ち始めました。すると、しばらく経ってリーチがかかり、熱い演出が来ました。しかしそれはハズレ。軽く溜息をついて台の液晶から目を離した瞬間。亡くなったはずのM代さんが見えたのです。「えっ!?」一瞬目を疑いました。確かにM代さんがあのいつもの台に座っているのです。錯覚かと思い、何度か瞬きをして、もう一度台を見ると、そこには誰もいませんでした。「気のせいよね……」そう思うことにしました。そのシマには私含め3人しかいなくて、その時はみんな当たりもなく、黙々と液晶を睨んでいました。だれもM代さんの気配に気付いていないようです。
「気のせい気のせい」そう思い込み、またしばらく回していると。どこかから「スーパーラッキー!」と確変大当たりの声が鳴り響きました。「誰が当たったんだろう?」そう周りを見渡すと、他のふたりもキョロキョロしています。誰も大当たりを引いていないのです。例の台にも当然M代さんの姿はありません。皆、首をかしげながら、それぞれの台に視線を戻していきました。でも私は確信しました。「M代さんは死んだあともあの台でパチンコを打ち続けているんだ」と。
その体験を経て、私はパチンコをやめることにしました。だって、死んだ後も成仏せず店に通ってパチンコを打ち続けているなんて、そんなのあまりにも悲し過ぎます。あれからパチンコ屋には一回も行っていません。今後もう一生行くこともないでしょう。
(愛知県名古屋市 渡辺葉奈さん 45歳 主婦)
藤花先生より
お金やギャンブルに関する念は決して侮ってはいけません。特にパチンコ屋にうずまく念は皆さんの想像以上にすさまじいものがあります。借金をしても打つ人が大勢いますし、それでも勝てない人は勝っている人を妬んだり、店を恨んだり、自己嫌悪に陥ったりします。また中には店のトイレで自殺する人や、駐車場に置き去りにされ、熱中症で命を落とすかわいそうな子供もいます。
パチンコ屋には負の感情、負の念が凝縮されており、不浄霊がうようよしている場所です。世の中には清浄な気が溢れるパワースポットが存在しますが、町のパチンコ屋は不浄な気が溢れる逆パワースポットと言うことができるでしょう。霊視をしたところ、そのM代さんは残念ながら今も成仏しておらず、不浄霊となってお店にとどまり続けているようです。