共用階段の壁に残された怪現象
わたしがリビングにいたとき、誰もいないはずの家の廊下からこちらに近付いてくる足音がしました。誰か侵入したのかと怯えていると、男性の「何でだよ」と言う悲しい声がして、そのあと、深いため息が聞こえたのです。
当時、職場のトラブルでさんざんな目に遭っており、恐怖より、「わたしだってつらいんだよ、あんただけじゃない」という怒りがこみあげてきて、ひとこと言ってやりたい気持ちと、侵入者なのか、それとも幽霊なのか確認したい気持ちも入り混じって、リビングのドアをすごい勢いで開けました。しかし、そこには誰もいませんでした。
玄関ドアを確認すると鍵が掛かっており、人間の侵入ではないことを確認。玄関ドアを開けるとそこにも誰もいません。
左手は行き止まりなので、右手の共用階段部分に目を向けると、そこに黒い塊が見え、フッと消えて行きました。塊のあった横の壁を見ると、赤い液体が二粒、ツーッと流れてきたのです。
それはまるで両目のような間隔で、壁が血の涙を流しているようでした。マンションは湿気がたまることはほとんどなく、しかもガラス窓のように薄いものでもない内階段の分厚い壁ですから、結露するはずもありません。
しかも壁の反対側はわたしの住居部分で、外ではありませんから結露するほど気温差はないし、周囲には水気はないのに不思議でした。ちなみにその後はとくに何も起こっていません。
(東京都葛飾区 さゆみさん 30歳 飲食店勤務)
泰安(たいあん)先生より
地縛霊や浮遊霊は至るところに潜んでいます。自分に同情してくれるひとを選んで生前の窮状や悲しみを訴えるものですが、このときはお仕事でストレスをため込んでいる状態にあるさゆみさんに同調してあらわれたと考えられます。
ところがさゆみさんが同情より苛立ちを感じたことがわかり、少し怖がらせてやろうと、黒い塊や血の涙を見せたのでしょう。ストレスだけならまだよいのですが、憎しみを抱いていた場合、 波動が低くなり、やっかいな霊体も引き寄せてしまうことがあるので、ご注意ください。
そして少し気になるのは、血の涙が意味するものは相当に深い悲しみであり、念が残る危険性もない訳ではありません。今後、何か気になる現象がありましたら、よろしければお電話でご相談ください。